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読書メモ、ゲームメモ。

読書や映画、そしてゲームのあれこれを、書き留めていってます。
by maruharoco
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魔法の国 ザンス 3 ルーグナ城の秘密

さて、お盆に帰省した折、昔読んだ本を、何冊か読み返してみました。
その中で一番おもしろかったのは、これでしょうか。
魔法の国 ザンス 3 ルーグナ城の秘密_d0034608_304760.jpg

魔法の国 ザンス 3 ルーグナ城の秘密

アメリカのビアズ アンソニー の書いた小説のシリーズで、
日本で出版されたのは、1984年。

結構古い小説で、今読むと、結構ゴシックというか、
意外に古めかしい感じというか、若干堅い、感じ。

このシリーズ、今回は、2.3.4.と、3冊読みましたが、
この3巻が一番面白かったかな。
というか、このシリーズ3巻までは本当に面白かったですね。(笑)

ことわっておきますが、ザンスっていうのは、
おフランス帰りの、イヤミの、口癖とかでは無く(笑)、
そういう固有名詞です。念のため。あしからず。

4巻以降、なんか、駄洒落とか、悪ふざけが多くなってくるんですよね。
基本ダジャレは好きですが、いい加減くどいのと、
大人の陰謀とか、何時までぐだぐだ言ってるんだ!とかそんな感じ。
(って、読んだ事ないと、なに言ってるかわかりませんよね。)

特に、最近(この時点で十数巻でてますが。)のは、ひどすぎて、
15巻のゴブリン娘と魔法の杖で、途中で読むの辞めて、
それ以後読んでません、このシリーズ。

さて、話を戻して3巻の、ルーグナ城の秘密。

このお話では、はじめの主人公、ビンクの息子、
弱冠12歳の魔法使い、ドオアが主人公です。

ザンスの国は魔法の世界で、ザンス生れの人間は、
必ず一つ、それぞれ、異なった魔法の力を持っています。

そして、その中でも、特に稀有で強力な魔法の力を持つ人間が、
魔法使い、もしくは魔女と呼ばれるのが面白いですね。

ザンスの王さまは、伝統的に男の魔法使いの中から一人選ばれ、
国を治めることになります。

主人公のドオアは、生まれながらにして、無生物すべてと話す力、
というか、石でも雲でも湖でも、声を出して話させる力を持って生れた為、
魔法使いとして、将来王になる運命を背負わされて日々暮らしています。

子供達の中では、それはつまらない力だと思われている為、
友達がいなかったり、幼馴染の王女のイレーヌは、王の娘ではあるけれども
魔法使い級の力を持っておらず、しかも女の子な為、
王にはなれ無い事をすねて、ドオアにあたったりします。

ドオアは、魔法の力のことや、人間関係、そして、将来否応無しに、
王にならなければならないという重圧に日々悩んでいたのでした。

そんなドオアは、家庭教師のミリーに、ほのかな恋心を抱いています。
ですが、ミリーは800年前に一度死んでいて、最近(2巻)まで、
幽霊だった為(というかなんというか)、同じ白で知り合った、
ジョナサンという、婚約者のゾンビーがいます。

ドオアは、ミリーのために、ゾンビーのジョナサンを甦らせるべく、
800年前にいたというゾンビーの頭 と呼ばれる魔法使いに会う為に、
特殊な魔法の力で、過去の世界に旅立つ事になるのだが・・・

というような感じ(だったかな?(笑)。)で、
物語は進んでいきます。

この後、過去の世界でドオアは、とある戦士に乗り移っているので、
屈強な戦士ドオアと、まだ幽霊になる前のミリー17歳と、
巨大な蜘蛛のジャンパーの3人(?)を中心に物語りは進んでいきます。

3人は、過去の世界の権力闘争に巻き込まれ、
世捨て人のように外界と関係を絶っている隠者の、ゾンビーの頭に、
助力を頼みに行くことになるります。

が、ゾンビーの頭って、その偏った力のために、世を拗ねている上に、
いわゆるネクロマンサー的な、やせ細った風貌のわりに、
意外に厳格で高潔な、良い人なんですよね。

本作で、一番印象に残った科白は、ゾンビーの頭に、
願いを聞いてくれたらなんでもします。と懇願するミリーに対して、
「お前は・・・・・待てるのか?」 
という、ゾンビーの頭の言葉でしょうか。

まあ、この時点で物語の結末は、もう、あらかた読めるわけですが、
それを考えると、この言葉はとても重い科白ですよね。

王たるものは、自分に出来ない事を、他人に強要しない。
というような教訓が含まれていますよね。

タイムパラドックス物(?)としては、よくできてるかなと思いますし、
物語りも、とてもよく出来ていて、いま読み返してみても面白かったです。

そういえば、読み返して思い出しましたが、
8巻の幽霊の勇士 は、このお話の焼き直しっぽいですね。
って、8巻も凄く好きなお話ですけどね。

こちらは、幽霊のジョーダンが、ドオアの娘のアイビーに、
400年前の出来事を語る、という構成で、
嘘と裏切り、というか、皮肉な、本当の嘘、というようなテーマで、
3巻が、信頼や理解、融和といったテーマなのと好対照でしょうか。

時期国王を決める魔法使い同士のゲームであったりとか、
愛ゆえの自己犠牲(?)とか、冒険を終えて、
今まで憎く思っていた相手に、別の見方ができるようになるとか、ね。
そこらへんは共通項でしょう。

さてさて、少し長い上に取り留めなくなってしまいましたが、
って、いつものことか(笑)。
ほんと、なかなか楽しかったです。

ザンスシリーズはアメリカで30巻近く出ている上に、
今でもつづいているそうなので、また、気を取り直して読んでみようかな。
なんておもうのですが、どうでしょうか。

by maruharoco | 2006-08-20 04:02 | 読書 メモ
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