カテゴリ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
さて、こちらもGW前の話ですが、終りました。セツの火。
ちなみに、このブログは、割とネタバレには拘らずに書いてます。 念のため、先に断っておきますが、 今回は、ネタバレ分多目かもしれません。あしからず。 終ってみての感想としては、面白かったかなぁ。うん。 お話は、後述しますが、中々良かったと思いますし、 音楽も、映画音楽のような感じで、 フレーズが自己主張する感じではないですが、 良かったと思います。 苦言を呈すところは、グラフィックの、枚数かなぁ。 戦闘が、毎回同じ画像ですし、セリフでは、1匹なのに、 2匹いたりするとかあって、そこら辺は、次への課題なのでしょうか。 脚本・監督の、遠藤 正二朗 さんのゲームは久しぶりで、 うれしかったです。 ところで、この作品は、デジタイズドラマと、銘打っています。 選択肢の無い、フルボイスの、ノベル物のゲームといった感じです。 インタラクティブな部分がほとんど無いので、 ゲームといっていいのか?微妙ですが。 個人的には、ゲームのカテゴリーでいいと思います。 同じような試みは、キネティックノベル 等もしていますが、 デジタイズドラマというジャンルが、有りかどうかは、 此の際置いておきますが、セツの火 の特徴的なところとしては、 ①選択肢は無く、ドラマの様な数話の構成になっていて、 各話毎に、OPと、次回予告がある。 ②文章的に三人称を使っている。 ③基本的にオートでの進行を推奨していて、手動で読み進めても 演出上の間があったり、文字の無く、音声のみの所もある。 と、いったところでしょうか。 ①につおいては、いわゆる遠藤作品としては、おなじみなので、 特に違和感とか無かったですね。 ただ、各話の話の尺が、結構長くて、もう少し短くして、 30分~1時間の構成の、13話から、24話の構成にしてほしかったかな。 若干、お話が長く感じる部分があったのと、 学校という舞台で、1年くらいの時間が流れるのに、 夏休みなどのイベントが端折ってあって、少しもったいないかな。 とか、思ったりしました。 もっとも、そこは、あえて、そうしたのかもしれませんが。 ②は、ゲームでは結構珍しいかもしれませんね。 最近のADVの文章は、ぶっちゃけ、ラノベそのものなので、 そういう意味では、読む人を選ぶかもしれません。 あと、バストアップのキャラクターが、画面上に、いるのにもかかわらず、 誰が喋っているのかわかりずらい所もあるので、少し気になりました。 ③は、どうでしょう。個人的には、ノベル物と解釈していたので、 文章の先送りが無かったり、タイミングが、 ずれたりするとか、 そういうところが気になったかなぁ。 ただ、デジタイズドラマ、ですので、読ませる、というより、 観せる、というところに、拘っているようには、感じました。 まあ、なんにしろ、世の中には、絵の無いゲームがあったり、 CGポートレートもあったりするので、 選択肢は無くても良いですよね。(笑) あと、このゲームをプレイしている間に、 世の中では色々な事件があり、ゲーム内の描写に、生々しさを、 感じるところもありました。 ひとつは、アメリカの、銃乱射事件と、長崎の銃による襲撃事件。 劇中で、鬼化けによる事件が頻発するようになっていって、 政府は各地で事件が頻発していると、隠蔽しますが。 これが、妙にタイムリーで、変にリアリティーを感じました。 ホント、嫌な世の中ですよね。 もうひとつは、事件そのものは発売前に起こったものですが、 豪華客船密航事件、でしょうか。 40歳のフリーターの男が、豪華客船に密航、 という事件は聞いていましたが、その後、その男が、 かつて、17歳でゲームを作り始め、 サバッシュ、エメラルドドラゴン等を作り、 25歳でグローディアの社長になった、 池亀 治 さんだと知ったときは、ほんとに仰天しました。 ずっと名前を聞きませんでしたが、まさか、あんな事になるなんて。 劇中、繰り返し、生きるためにはしぶとく抗い続けなければいけない、 足掻き続けなければいけない、というテーマが繰り返されますが、 なんだか、ゲーム業界の厳しさが身にしみて、 これまた、妙に生々しい感じがいたしました。(笑) お話の終盤の感じとしては、 再び、鬼の日が訪れ、鬼化けする可能性のある人間は、 全員シェルターから出る事が決まり、 混乱が起こりつつも、推薦組以外は、退避を始める。 それと時を同じくして、とある事情で現れた、辺りの鬼を率いる、人鬼、 (さすがにネタバレなので、仮に、究極日本人と呼びます(笑)。) と、刹たち、鬼殺したちとの、壮絶な決戦が始まります。 今までの鬼たちとは比べ物にならないほどの強力な力と、 作戦を立て鬼を率いるほどの知能を持った、究極日本人でしたが、 色々あって、最後には倒れます。 最後のシーンは結構好きでした。 ところで、この作品は、漫画で言えば、デビルマンや、漂流教室、 最近の作品で言えば、彼岸島や、7SEEDSのように、 人々は理性や、人としての形を失ったり、 崩壊する世界を描いてますが、この作品の、興味深いところは、 2つあって、ひとつには、崩壊する要因が、あいまいなところです。 設定では、劣界毒素と呼ばれる成分が、大気中にあふれ、 人間が、どんどん理性を失った鬼になっていってしまいます。 これが曲者で、全世界的に、空気を介して発祥するのですが、 浄化もできなければ、遮断する方法もありません。 しかも、裏設定はあるかもしれませんが、 一部の抗体保持者以外、誰しもが、一生鬼化けしないかも知れないが、 次の瞬間には鬼化けするかもしれない、という、 基準があいまいな災厄となっているところです。 ゾンビや吸血鬼のように、退治する事もできず、 世界そのものが滅んでいるわけでは無いため、 生き残っている人間も沢山いるが、いつ鬼化けするかわからない。 というような、むしろ、大地震が群発する、 災害モノのような、なす術の無さが、ここにはあります。 原因をなくす事もできず、さりとて、鬼になりそうな人間全てを、 抹殺する事も、やり様が無い。そんな、もどかしい感じです。 もうひとつ思ったのが、こういった作品では珍しく、 基本的に、性善説によって、人間が描かれているところでしょうか。 こういう舞台設定だと、追い詰められた人たちが、 疑心暗鬼に刈られたり、弱さから脱落したりするものですが、 人々は最後まで、ギリギリ、人類の未来を信じて抗い続けます。 決して、俺は鬼になったが、お前たちは心が鬼になった!とか、 よし、鬼化けする人間は差別し、排除しよう!とか、 そういった、人間の醜い行動はおこらないところが、 全体的に、救いのあるお話になっているとは思います。 だから最終的に、主人公たちの物語は、 まるで、ファンタシースター2 のような幕引きを迎えますが、 印象はそれほど、暗澹としたものではないですし、 物語の結びも、見ている人間に判断をゆだねる形で終っていますが、 個人的には、少なくとも全滅しているような印象は受けませんでした。 あと、最後の最後に、なんか、不安を誘うようなカットも入りませんしね。 結局、物語は、設定的には何も解決しないまま終りますが、 ヒーロー物でも、ホラー物でもないため、 これでよかったかな、と、思いました。 未来に希望をつないだ、という事でしょうか。 また、ずいぶんと、感想をつらつらと書き綴ってしまいましたが。 次回作も期待してますので、このシーンを載せて、最後に、 これを作ったスタッフの方々には、次に向けて、 がんばれ! と、エールを、かげながら遅らせていただきます。 撃墜数4つ目。これで、エース!(笑) ☆☆☆☆
by maruharoco
| 2007-05-12 22:16
| ゲーム メモ
|
ファン申請 |
||